浮気・不倫調査ブログ

・現場研修初日-1

事務所でのレクチャーを受ける研修を終え、いよいよ現場での研修を受けることとなった。

 

見習い探偵として初の現場に入るということで、かなり緊張して集合場所まで行ったことを覚えている。

 

2人の先輩と一緒に現場に入り、初日ということで、基本的には先輩のそばについて見て学ぶよう指示があった。

 

調査の内容は、依頼者は女性で、対象者は依頼者の夫、不貞の有無を調べる素行調査である。

 

対象者が依頼者に仕事と偽って浮気相手の所に行く疑いがある為、早朝から自宅マンションを張り込み、

 

対象者が出て来れば後を追い、動向を探るというものであった。

 

調査開始の30分程前に現場に到着すると、先輩達は早速動き始める。

 

開始場所である、対象者の自宅マンションの周囲と敷地内を観察し、確認出来た事柄を手際良く撮影していく。

 

これは、「下見調査」と呼ばれる作業で、毎回調査の開始前に、開始場所の建物及び敷地内の

 

構造、出入口、階段、エレベーター、駐車場、駐輪場の位置、周辺の地理状況や想定される

 

交通手段を確認し、調査対象者及び関係者・関係車輛の有無を下調べをするというものである。

 

先輩は、下見調査についての説明を一通り終えると、自分に実際に撮影してみるよう指示した。

 

試しにマンション名が表記されたプレートを撮るよう言われたが、この段階で早速つまづいてしまう。

 

早朝の時間とはいえ、マンション前の通りはある程度の人通りがあり、その中でハンディカムを

 

取り出すことに抵抗を感じて躊躇してしまい、なかなか撮影する態勢に入れない。

 

考えてみれば、これまでの生活の中で、周囲に悟られないようにハンディカムで撮影する機会など

 

あるはずもなく、この時の自分は「隠して撮る」行為自体に強い罪悪感と抵抗感を感じていたのである。

 

おそるおそる何とかカメラを取り出し、先輩のアドバイスに従いながらマンション名の撮影を終えたが、

 

下見調査中の、しかもたった一ヶ所の撮影にも時間を要してしまう体たらくであった。

 

下見調査が終わり、いよいよ調査開始の時間を迎える。

 

先輩はマンション敷地出入口が見渡せる位置につき、張り込みを行う。

 

自分も先輩から少し離れた位置で張り込む。

 

実際の「張り込み」については、テレビドラマ等での描写と大きく異なる点はないが、対象者や近隣住民

 

に当然悟られてはならない事、車輛内から張り込む「車輛張り」と立って張り込む「立ち張り」を使い

 

分けている事、出入口等を直接張り込む場合と、対象者・対象車両が必ず通過するであろう場所を張り込む

 

「通過張り」がある事、対象者を捕捉した場合には速やかにその姿を撮影しなければならない事等を先輩から教わった。

 

 

場合によっては張り込みが長時間に渡るケースもあり、もし対象者の捕捉に失敗すると、その回の調査自体が

 

失敗に終わる事を考えれば、集中力と忍耐力が要求される作業であるといえる。

 

この時は、開始から15分程で対象者が出て来て、自分でもその姿を捕捉することが出来た。

 

先輩はすでに対象者の撮影を終え、「尾行」を始めようとしている。

 

自分も慌てて先輩の後に続く。

 

ここまで、現場研修初日が始まって1時間も経過していないが、自分はすでに探偵の仕事が簡単でない事を

 

痛感させられ、これから先に向けて不安は募る一方であった。


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